ねこの独り言

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第9回(給与)民間から公務員に転職した40代の独り言

投稿日:2025年8月11日

最終更新日:2025年8月11日

第9回 民間企業から公務員に転職した40代の独り言

公務員1年目の12月 

 大学卒業後、20数年間民間企業で働いていましたが、社会人経験枠で公務員試験を受験し、現在は地方公務員(一般行政職)として働いています。そんな私が公務員になって「思ったこと」や「感じたこと」、さらには「やっぱりこれは民間企業とは違うな。」と感じたことを書き綴っています。

今回は【給与】です。

公務員の給与の決まり方

 第3回でも触れましたが、自分の「号」と「級」が分かれば、勤務先自治体のホームページにある「給与に関する条例」から給料表を確認できます。該当する号・級を見れば、月々の基本給が明確に分かります。
年1回の昇給時期には、特別な事情がなければ自動的に基本給が上がります。これは民間企業と大きく異なる点で、基本給が据え置きの会社も少なくありません。公務員は役職に就かなくても、在職していれば基本給が上がるのです。
就職を検討している方は、受験予定の自治体の給料表を確認してみると良いでしょう。

民間時代との比較

 私の場合、転職後の年収は下がりました。理由は、民間時代に受け取っていた残業代と役職手当がなくなったからです。
現在の勤務先では残業代はほぼ支給されません。残業がゼロではなくても、ほとんどがサービス残業扱いです。税金から支払われる以上、その残業が本当に必要か厳しく問われるためです。

基本給は民間時代より増えましたが、その増加分よりも、残業代と役職手当の減少分の方が大きく、結果として月給は減りました。

賞与の違い

 一方、賞与は増えました。基本給が上がったため支給額も増加し、民間のように業績で大きく変動することもありません。
民間時代は「支給されるかどうか分からない」ため賞与をあてにした大きな支出は避けていましたが、公務員は安定して支給されるため、住宅ローンや車のローンを賞与で計画的に返済する人も多いようです。

給与以外で感じた違い

 給与の話から少し外れますが、民間との大きな違いとして人材育成の意識の差を感じます。
民間では、業務効率化や全体の底上げのために社員教育が行われます。しかし私の所属先では、処理が遅い職員に対して改善指導がほとんどなく、ただ業務量を減らすだけ。結果として「お荷物扱い」になりかねません。効率化や成長を促す文化が根付いていないように感じます。

※残業代って難しいですよね…。税金なので、その残業は本当に必要な残業なのか?と問われます。業務時間中にできなかったのか?などなど聞かれるわけです…。そもそも個人のスキルで業務の処理スピードは速いか遅いか決まりますよね。同じ作業をするとしても、Aさんは1時間で終わるけど、Bさんは3時間かかるなんてことはありますよね。Bさんが3時間かかる業務を2時間で終わるように先輩が指導することで、業務効率が上がると思うのですが…残念ながらそういう指導は(私のところでは)ありません。人を育てる、という風習はないのか?と感じています。人を大切にして人を育てることで業務効率が上がり、住民サービスも向上するのではないかな、と。

 そんなのは民間だろうが公務員だろうが同じですが、民間の場合は、個人のスキルを向上させ、社員全員の業務の平均値を高めようとするはずです。しれが社員の成長にもつながるし、業務の効率化につながると思います。でも…公務員はそんなことはないのかもしれません…。人を育てる、業務の効率化、というのは無縁のような気がします。業務の処理が遅い人には、何かしら効率化や先輩からの指導などが入ることもなく、ただただ業務を削られるだけ…。

まとめ

 公務員は基本給が安定して上がり、賞与も安定的に支給される反面、残業代や役職手当は期待できず、年収は民間より下がる場合もあります。ただ、その分の安定感は大きく、ライフプランを立てやすいのは確かです。
給与だけでなく、職場文化の違いも含めて、民間と公務員のどちらが自分に合っているかを考えることが大切だと思います。

 

次回 第10回も『給与』の続きです。